○禅武拳法とは
禅武拳法は護身術である武道を通して精神と肉体を強くするスポーツです。具体的な練習法とは、拳や筋肉を特別鍛えるのではなく楽しく技術という“コツ”を身につけることが出来ます。ですから力の弱い女性や子供更に、老人でも十分に体を動かせば、知らず知らずのうちに確実に強くなります。強くなると人間は、自信という前向きな力を得て、何事にも果敢に取り組むことが出来るようになります。そして、禅武拳法の特徴的な練習法によって、お互いに高め合い助け合って、勇気と思いやりと正義感を持った本当に強い人間を目指します。
1.強さについて
肉体的強さだけを求めた先に何があるだろうか。格闘技などの源はやはり相手を倒すことを目標に勝つことが正しいと思われ、実社会ではまさに競争社会がこれに当てはまると思います。勝ち続ければ幸せであると思う人もいますが、勝ち続けるのは大変です。また、勝つとは負けた人から何かを奪っているので、負けた人から怨みこそ抱かれても、本当の分かり合いを得ることは出来ません。例えば、スポーツでは勝ち負けにこだわり、自分の才能を発揮するには先輩を山から蹴落とし、頂上にあがっても、すぐに後輩たちに気をつけなければならないという、真の信用をお互いに持てないものです。これは、グループ競技の野球やサッカーでも例外ではありません。グループの中でもポジション争いといったグループ内の争いが行われます。これは、生物が生存する弱肉強食の真理であり、その瞬間に必要とされるポジションに限りがあるならば、その枠を奪い合うのは、当たり前のことです。そして、このような強さは、心の平穏と豊かさを失ったものとなります。これは他人と比較して強くなる強さを求めたことにあります。本来あるべき姿は、他人との比較ではなく、常に過去の自分との戦いの上で勝つ強さに真の意味があります。
2.禅武拳法の強さとは?
禅武拳法をやると、過去の自分より肉体的に強くなります。強くなることで自信の裏づけになり、精神的に自分に負けない強さを身につけます。そして、この自信は余裕に変わり、他者への優しさを与え、優しさを与えられた他者はお返しとして、自分に活力と希望を与えます。禅武拳法では先輩から技を習い、後輩に教え、同期もお互いに教え合い、皆で一致団結して上達する喜びを共有し、より優れた技を身に付ける練習が出来ます。このような過程により育った強さは人を傷つけるのではなく、正しい使い方で身を守ったり、人助けが出来ます。禅武拳法では自分を守るだけでなく、他の人を守るという強さを考えています。これは肉体の強さだけを求めるのではなく、精神的強さも一緒に求めます。試合で勝ち負けを競うことが目的でなく、相手と共に上達を図ることにより信頼し合い助け合う仲間を作り、自己確立の精神と肉体の真の強さを求めます。
3.護身術について
問題があった時、力無き正義は解決することが出来ません。自分の言いたいことが正しいと思っても力が無いとはっきり言うことも出来ません。いざという時に護身術を学んでいると、解決または回避することが可能となります。なにも問題に首を突っ込めと言っているのではなく、つまり飛んでくる火の粉を払うことぐらいできる自信を、護身術で身につけるべきではないかと思います。禅武拳法は相手を倒すのではなく、身を守るための武道です。
4.極意“コツ”について
とにかく簡単に説明すると、力強く手を持たれても力が伝わらないような角度と形があり、どんなに力が弱い人でもそれをマスターすれば簡単に抜けます。さらに、ある角度に手を捻れば悲鳴を挙げて相手は吹っ飛びます。また突き蹴りといったものは、野球でバットを振るように、足の回転から腰の回転に伝わり最終的にバットに力が集中するように、バネと体重を使って力のない人でもかなりの衝撃力となり急所をピンポイントでねらいます。つまり最大限の威力を発揮するように構成されています。これらの“コツ”は難しいので何度も練習し、理論的に説明を受け、生理学、物理学に則る事実として、頭と体で認識し、理解することによって出来るようになります。
5.対象年齢について
禅武拳法は約6歳小学一年生ぐらい(幼稚園や保育園でも親から離れて泣かないなら大丈夫)から約80歳ぐらい(体が動く限り)まで男女問わず誰でもできます。これによって、個人能力の差について心配する人もいますが、問題ありません。練習は、個々の能力に合わせて行い、特別に苦行となるような鍛える練習はしません。日常の運動不足を補う程度の練習であり、健康増進につながります。
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